日常診療に役立つ豆知識
皮膚科診療とノーベル賞
三井 浩
1
1東京逓信病院皮膚科
pp.657-657
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002553
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「これ,ノーベル賞をとったお薬ですよ」.
患者さんのアドヒアランスを上げるために私がときどき使うセリフである.皮膚病は慢性疾患が多く,アドヒアランスの低い患者さんが少なくない.アドヒアランスを上げるにはいろいろな方法があるが,“ノーベル賞”という権威を借りるのも一法である.ノーベル賞はタッチパネルやリチウム電池など,身近なものに大きく影響しているからこそ受賞しているのだが,医薬品でのノーベル賞となると格が上がってくるから不思議である.前者ではあまりに身近にあるため,そのありがたみに慣れてしまっているが,後者では毎日触れるものではなく,とくに病気という困った立場では,「病に対抗する人類の叡智の力」として感じられるためではないかと思う.
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