皮膚科医学史
『続日本紀』と疫病
服部 瑛
1
1医療法人はっとり皮膚科医院
pp.912-919
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002168
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このところ世の中は,コロナウイルスによる疫病で騒然としている.奇しくもこれまでに,暴瀉病(コレラ)という疫病について,そのアウトライン1),暴瀉病が全国各地に蔓延したこと2),上州の一地方の実態3)を報告してきた.今回コロナウイルスに遭遇して戦々恐々としているのだが,感染症という概念のなかった幕末の人たちはまさに恐怖で怯えたことであろう.疫病は,有史以来ずっと私たちを苦しめてきた.それは千数百年前の奈良時代でも同様だった.『続日本紀』(『続紀』)という史書にそのことがしっかりと残されている.
そこで今回は視点を変えて,時間軸をはるか以前に戻して,奈良時代の疫病の実態に迫ってみたい.
(「Ⅰ.はじめに」より)
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