連載 医学ジャーナルで世界を読む・6
SARSと肥満,2つの疫病
坪野 吉孝
1
1東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野
pp.410-411
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100889
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重症急性呼吸器症候群(SARS)の伝播が,世界規模で急速に拡大している.WHOの報告によれば,本稿執筆の5月1日までの時点での感染症例(疑い例を含む)は,30カ国5,865例に及び,死亡例も391例に達している.
SARSの急速な拡大に対応するため,医学専門誌も,かつてないスピードで最新の知見を報告し続けている.特に『ニューイングランドジャーナルオブメディシン』誌は,一連の論文を,通常の誌上発表を待たずに,ウェブサイト上で次々と公表している(表の2).3月31日には,香港とカナダにおける最初のSARS症例に関する報告を掲載した.4月10日には,SARSの原因として疑われる,新型コロナウイルスの同定についての論文を公表した.
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