私の歩んだ道
よき出会いに恵まれた半生
富田 靖
1
1コミュニティクリニック上桜木
pp.739-744
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000000151
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大学を63歳で定年退職してから,仙台市の北隣にある富谷市の自宅近くの複数科診療所に勤務して早8年経つ.そこの院長が大学のテニス部の先輩であったので,院長に頼み込んで皮膚科を新設してもらい勤めることができた.診療時間は月~土曜日の8:30~12:00,14:00~18:00(水・土曜は午前のみ).毎週木曜日14:00~15:00は予約手術を2件ほど入れて,粉瘤・ほくろ・小腫瘍などの治療を行っている.勤務中に業務用の大型缶切で腕を切ったとか,学校の工作の時間に指を切ったとか,転倒による膝の剝離創とか,熱傷の患者など頻繁に飛び込んで来る.小外傷も対応することが知られてきたせいか,年々外傷の飛び込み患者が増えてきている.診療所は仙台市のベッドタウンである新興団地に囲まれているせいか,若い夫婦が多く,患者も半数は中学生以下の子ども,1/4は定年退職後の高齢者で占められている.新生児や高齢者へのスキンケアや,日常生活での注意など皮膚科のホームドクターの役割もしており,また富谷市での常勤皮膚科専門医は私だけということもあり,かなり地域医療に貢献していると自負している.長年苦しんできた皮膚病を短期間で治したときの患者の驚きと喜びに接すると,内心「どうだ」とばかりにほくそ笑んでいる.大学以外勤務したことがなかったが,退職後このような臨床の最前線で充実した毎日が送れるのも,皮膚科という診療科ならではのことと思う.(「はじめに」より)
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