特集 頸部・項部の皮膚病
臨床例
頸部血管拡張を呈した胸郭出口症候群
屋代 未佳
1
,
増澤 真実子
,
天羽 康之
,
助川 浩士
1北里大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
病的拡張症
,
胸郭出口症候群
,
頸静脈
,
頸部
,
鑑別診断
,
生検
,
X線CT
,
疼痛
,
皮膚鏡検査
,
疼痛管理
Keyword:
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Dilatation, Pathologic
,
Jugular Veins
,
Pain
,
Neck
,
Thoracic Outlet Syndrome
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Dermoscopy
,
Pain Management
pp.269-272
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2018202424
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<症例のポイント>胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome;以下TOS)は胸郭出口部で腕神経叢や鎖骨下動静脈が圧迫されて、さまざまな神経・血管の症状を呈する疾患であり、神経性、動脈性、静脈性に分類される。一般的に神経症状を呈することが多く、整形外科で主にみられる疾患であるが、自験例は頸部の点状の血管拡張と周囲の蒼白変化を主訴に、皮膚科を受診した。皮膚生検にて真皮内に脈管の拡張を連続性に認め、静脈うっ滞による病態を考え造影CTを施行した結果、TOSと診断した。本症は皮膚科領域からの報告は少ないものの、われわれが遭遇しうる疾患であることを念頭に置いて診療にあたる必要がある。
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