特集 バリア障害
臨床例
KID症候群における表皮バリア機能に関する検討
谷崎 英昭
1
1大阪医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
カンジダ症-皮膚
,
魚鱗癬
,
鑑別診断
,
経口投与
,
表皮
,
免疫組織化学
,
Itraconazole
,
ミスセンス変異
,
遺伝学的検査
,
皮膚外科
,
角膜炎・魚鱗癬・難聴症候群
,
紅斑角皮症
Keyword:
Administration, Oral
,
Candidiasis, Cutaneous
,
Diagnosis, Differential
,
Epidermis
,
Ichthyosis
,
Genetic Testing
,
Immunohistochemistry
,
Itraconazole
,
Mutation, Missense
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.865-868
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017324036
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<症例のポイント>keratitis-ichthyosis-deafness(以下、KID)症候群はconnexin26の変異によりおこる常染色体優性遺伝の魚鱗癬症候群で、角膜炎・魚鱗癬・聴覚障害を三主徴とする。皮膚症状は多彩であり、掌蹠角化症、角化性紅斑、毛孔性角化症などを呈する。KID症候群患者の多くは幼少期から慢性粘膜皮膚カンジダ症を認め、長期間にわたり抗真菌薬の内服などを継続している。今回、患者免疫バランスに着目し、末梢血リンパ球の活性化能、皮膚カンジダ感染病変部の浸潤細胞の解析・バリア機能について評価した。表皮における抗菌ペプチドの産生低下はなく、CD4陽性細胞、CD8陽性細胞、Foxp3陽性細胞の浸潤が認められた一方で表皮内のS100陽性細胞が減少していた。
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