特集 接触皮膚炎-2017
臨床例
補助人工心臓の創部消毒に使用していたクリスタル紫で接触皮膚炎をおこした症例
山本 顕介
1
,
葉山 惟大
,
八百板 寛子
,
大幸 俊司
,
瀬在 明
,
照井 正
1日本大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Methylrosanilinium Chloride
,
消毒剤
,
心臓補助機器
,
鑑別診断
,
丹毒
,
パッチテスト
,
皮膚炎-接触性
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Disinfectants
,
Dermatitis, Contact
,
Erysipelas
,
Heart-Assist Devices
,
Gentian Violet
,
Patch Tests
pp.715-718
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017304599
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<症例のポイント>ピオクタニン(クリスタル紫)はMRSAに対し強力な抗菌力を有し、近年の抗菌薬耐性菌の増加に伴いクリスタル紫消毒薬のMRSA感染巣に対する有効性が見直されている。1.0%以上の高濃度のクリスタル紫を使用することにより過去にびらん、潰瘍形成等の有害事象が報告されたが、低濃度のものが使用されるようになり、その頻度は減少している。植込み型補助人工心臓(ventricular assist device、以下、VAD)植込み後の慢性期の合併症対策としてドライブラインの皮膚貫通部の感染や、それに続発する血流感染が大きな問題となっている。当院ではVADの消毒薬に0.01%クリスタル紫消毒薬を用いている。これまで有害事象がなかった0.01%のクリスタル紫消毒薬に対するアレルギー性接触皮膚炎を1例経験した。
Copyright© 2017 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.