特集 石灰化・骨化をきたす皮膚病
臨床例
剖検所見を含めたcalciphylaxisの病理組織学的検討
栗原 英美
1
,
綿貫 沙織
,
石橋 正史
,
藏本 純子
,
陳 科榮
1東京都済生会中央病院 皮膚科
キーワード:
カルシフィラキシー
,
強皮症-全身性
,
血液透析
,
血胸
,
ショック-出血性
,
鑑別診断
,
腎不全-慢性
,
膿胸
,
剖検
,
腎性全身性線維症
Keyword:
Calciphylaxis
,
Diagnosis, Differential
,
Hemothorax
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Scleroderma, Systemic
,
Shock, Hemorrhagic
,
Empyema, Pleural
,
Nephrogenic Fibrosing Dermopathy
pp.707-710
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016320846
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
<症例のポイント>剖検を行ったcalciphylaxisの1例を報告した。病理組織学的所見からcalciphylaxisにおける血管病変の変化を検討した結果、小動脈の中膜筋層に変性や石灰化が生じた後、隣接する内弾性板が硬直・粗大化し断裂が生じる、と進行していくと推測した。皮膚以外の臓器の血管病変も観察したところ、動脈の中膜石灰化を呈したのは皮膚真皮下層~皮下織の小動脈のみであり、観察しえた限りでは他臓器の血管には中膜石灰化を認めず、calciphylaxisにおける小動脈の中膜石灰化は大~中動脈の中膜石灰化と異なる機序で生じている可能性もあると考えた。
Copyright© 2016 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.