日用品による皮膚障害

生活していくために必要なさまざまな製品，日用品は，原料のプラスチック，化学物質など種々の安全性基準枠に沿って製品化され，一般家庭に普及し使用されている．ところが実情は安価大量生産を目的に生産され，豊富に市場に供給されており，海外での大量生産が主体となり，その安全性検証は十分とはいえない．生活が豊かになり，嗜好品や趣味の道具まで幅広く老若男女に普及し，予想をしえない多くの製品が家庭内で使われているし，今後も新たな製品開発がなされるであろう．社会的流行や種々の日用品開発に伴って，新たなアレルゲンに対し新しい皮膚障害を経験することがあるかもしれない．治療抵抗性の湿疹病変をみたときは，日常使用している製品の中からいったん中止，あるいは変更させていく必要があるかどうかを詳細に聞き出す必要がある．（「はじめに」より）