特集 生物学的製剤・有用性
臨床例
アダリムマブが有効であったpsoriasis verrucosa
片山 智恵子
1
,
前島 英樹
,
勝岡 憲生
1北里大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Ciclosporin
,
Etretinate
,
いぼ
,
乾癬
,
めまい
,
鑑別診断
,
精神病
,
多剤併用療法
,
Adalimumab
Keyword:
Adalimumab
,
Diagnosis, Differential
,
Etretinate
,
Drug Therapy, Combination
,
Psoriasis
,
Psychotic Disorders
,
Vertigo
,
Warts
,
Cyclosporine
pp.309-312
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014237162
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<症例のポイント>psoriasis verrucosaは、乾癬の比較的まれな臨床病型の1つで、病型としてはドーム型とクレータ型の2つのタイプがある。ドーム型はドーム状丘疹で柱状の錯覚化を伴う角質が椀状に表皮に嵌入し、Munro微小腫瘍を伴う。一方、クレータ型は、噴火口上に嵌入した表皮とKogojの海綿状膿疱を認める。自験例はドーム型と考えた。psoriasis verrucosaの発症機序は不明であるが仮説として肥満や糖尿病、末梢循環不全の関与が考えられている。自験例の発症誘因として、非定型精神病に対して炭酸リチウムを内服しており、尋常性乾癬を誘発させる薬剤の関与が考えられた。その他に、肥満、非定型精神病により外用治療が困難であったことも考えられた。自験例は、アダリムマブが著効した。副作用のめまいと精神疾患の増悪によりアダリムマブ投与はその後中止したが、psoriasis verrucosaに対してアダリムマブは有効と考えられた。
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