治療
爪乾癬の診断と治療
齋藤 昌孝
1
,
種本 紗枝
1慶応義塾大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Calcitriol
,
Clobetasol
,
Ciclosporin
,
Etretinate
,
Methotrexate
,
PUVA療法
,
乾癬
,
鑑別診断
,
生物学的製剤
,
爪疾患
,
経皮投与
,
Tacrolimus
,
Secukinumab
,
生活指導
,
Apremilast
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Calcitriol
,
Biological Products
,
Diagnosis, Differential
,
Clobetasol
,
Etretinate
,
Methotrexate
,
Nail Diseases
,
Psoriasis
,
PUVA Therapy
,
Tacrolimus
,
Cyclosporine
,
Apremilast
,
Secukinumab
pp.1308-1316
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2018134056
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乾癬は皮膚の慢性炎症性疾患であり,日本における有病率は人口の0.34%と報告されている1).乾癬では皮疹以外にも爪や関節に症状がみられることがあり,爪症状に関しては乾癬患者の66%でみられたとする最近の調査結果もあり,生涯を通してみれば90%近くの患者で認められると推計されている2, 3).一方,皮膚や関節に症状を伴わない爪乾癬の割合は全体の5~10%であり, その場合には爪の臨床所見から爪乾癬を疑い,他の疾患との鑑別を行ったうえで総合的に診断することになる4).そのためには, 特殊な皮膚の付属器官である爪の解剖などの基礎知識に加えて,爪乾癬に特徴的な臨床所見や病理組織学的所見を理解しておく必要がある.また,爪乾癬は一般的に難治性であるものの,局所外用療法でも十分な治療効果が期待でき,免疫抑制薬や生物学的製剤はもちろんのこと,最近ではホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬も有効であることが示されており,重症度や合併症,さらには患者の社会経済状況なども加味したうえで治療戦略を練る必要がある.本稿では,爪症状から爪乾癬を診断するために必要となる基礎知識として,爪乾癬に特徴的な臨床ならびに病理組織学的所見を整理する.そして,爪乾癬に有効とされる治療法をまとめるとともに,治療法の選択や治療に際しての注意点についても述べたい.(「はじめに」より)
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