特集 全身症状を伴う皮膚疾患(2)
臨床例
汎発性扁平黄色腫が診断の手がかりとなった母乳による高コレステロール血症
山下 紘子
1
,
落合 豊子
,
浦上 達彦
,
岡田 知雄
,
高橋 夫紀子
1駿河台日本大学病院 皮膚科
キーワード:
Sitosterols
,
黄色腫症
,
高コレステロール血症
,
鑑別診断
,
母乳
,
免疫組織化学
,
シトステロール血症
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Hypercholesterolemia
,
Immunohistochemistry
,
Milk, Human
,
Sitosterols
,
Xanthomatosis
pp.853-856
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014082394
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<症例のポイント>11ヵ月の男児。出生時から完全母乳栄養。生後2ヵ月より右頬部に黄色丘疹が出現し、その後、頭部、体幹に扁平黄色腫が多発した。病理組織学的に黄色腫で、血中脂質分析で、高LDLコレステロール血症がみられた。鑑別として家族性高コレステロール血症、シトステロール血症を否定し、常染色体劣性高コレステロール血症、または母乳栄養による高コレステロール血症を考えたが、母乳栄養中止により、約1ヵ月で血中脂質は正常化したため、母乳栄養による高コレステロール血症と診断した。乳児の扁平黄色腫を診察する際には、血中脂質分析を行うと同時に、出生時からの母乳栄養の既往を聴取することが大切である。
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