脂質異常症 基本を踏まえた実践
こんな脂質異常にはどうすべきか? 高コレステロール血症
杉沢 貴子
1
,
斯波 真理子
1国立循環器病センター 動脈硬化・代謝内科
キーワード:
ヘテロ接合体
,
ホモ接合体
,
危険因子
,
血液成分除去法
,
高コレステロール血症
,
LDL Receptors
,
食事療法
,
変異
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
生活習慣病
Keyword:
Blood Component Removal
,
Diet Therapy
,
Hypercholesterolemia
,
Homozygote
,
Heterozygote
,
Mutation
,
Risk Factors
,
Receptors, LDL
,
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
pp.52-57
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009072538
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家族性高コレステロール血症(FH)は、LDL受容体遺伝子変異による遺伝性疾患であり、高LDLコレステロール血症、皮膚および腱黄色腫、冠動脈硬化を特徴とする。FHの類縁疾患として、アポB100遺伝子変異、LDL受容体蛋白の細胞内取込みに関わるARH遺伝子変異、LDL受容体蛋白の分解に関わるPCSK9遺伝子変異などがある。FHの治療においてはまず、食事療法を中心に生活習慣の改善に努め、動脈硬化の危険因子である肥満、喫煙を避け、高血圧、糖尿病などの厳格なコントロールが必要である。FHの薬物療法はスタチンが第一選択薬である。肝障害や筋症状などの副作用に気をつけながら容量を調節し、LDLコレステロール値の低下が十分でない場合、レジンやezetimibeなどの薬剤との併用を行う。FHホモ接合体や、FHヘテロ接合体で薬剤によってもLDLコレステロール値の低下が十分でなく、冠動脈硬化が明らかな場合、LDLアフェレーシスの適応となる。
©Nankodo Co., Ltd., 2009