治療
中毒性表皮壊死症の治療における口腔ケアの重要性
伊藤 有美
1
,
藤井 孝之
,
臼田 俊和
,
小寺 雅也
,
小粥 照子
1社会保険中京病院 皮膚科
キーワード:
Acetaminophen
,
咽頭炎
,
静脈栄養
,
エネルギー摂取量
,
表皮壊死融解-中毒性
,
チーム医療
,
栄養補助
,
口腔ケア
Keyword:
Acetaminophen
,
Energy Intake
,
Parenteral Nutrition
,
Pharyngitis
,
Patient Care Team
,
Stevens-Johnson Syndrome
,
Nutritional Support
pp.1184-1190
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014067184
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60歳男。咽頭痛のため市販のアセトアミノフェン含有感冒薬を内服し、翌日より全身の紅斑、水疱、発熱が出現した。入院時は眼囲、口唇の糜爛、痂皮、眼球結膜の充血、眼脂も認め、血液検査、病理組織学的所見より中毒性表皮壊死と診断した。ステロイドパルス療法、血漿交換療法を行った後、ベタメタゾン投与、ステロイド外用を行い入院1ヵ月後に症状は改善し退院した。入院当初から積極的な口腔ケアと栄養管理を行ったことにより、重篤な合併症はなく比較的短期間で退院できた。歯磨剤は使用せず疼痛が強い時期はスポンジブラシ、粘膜病変が軽快してから弾力性がある細く軟らかい毛の歯ブラシを用いた。栄養管理は経静脈栄養のほか経口摂取を行い、口腔粘膜保護目的にアミノ酸製剤の経口投与を行った。口唇はワセリン塗布、口腔内はジェルスプレー噴霧で保湿し、粘膜病変軽快後、洗口液を用いた。疼痛が強い時期は吸い飲みを用いて含嗽薬で含嗽した。
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