統計
上皮性悪性腫瘍に続発する皮膚限局性アミロイドーシスの臨床病理学的検討
鈴木 琢
1
,
西川 沙織
,
遠藤 ひろみ
,
向井 秀樹
1東邦大学医療センター大橋病院 皮膚科
キーワード:
Bowen病
,
基底細胞腫
,
皮膚腫瘍
,
扁平上皮癌
,
年齢因子
,
日光角化症
,
アミロイドーシス-限局性
Keyword:
Age Factors
,
Carcinoma, Basal Cell
,
Bowen's Disease
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Skin Neoplasms
,
Keratosis, Actinic
pp.413-416
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2013220926
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2008年~2012年3月間に病理組織学的に続発性皮膚限局性アミロイドーシスと診断された113症例(日光角化症(AK)13例、Bowen病45例、SCC 9例、BCC 46例)を対象に統計的解析を施行した。統計学的手法はFisherの直接確率計算法を用いて、P<0.05を有意とした。各腫瘍のアミロイド沈着の陽性率はBCC 52%と最も高率で、Bowen病39%、SCC 0%でSCCの前癌病変であるAKは38%の陽性率であった。アミロイドの沈着量はAK 0%、Bowen病6.5%、BCC 10.9%と高頻度であった。各腫瘍におけるアミロイドと沈着の年齢の関係では陽性群と陰性群における有意差は認めなかった。また、アミロイド沈着と性差の関係では、男性と女性の陽性率に有意差はなかったが、AKのみ1%以下の有意差を男性に高頻度に認めた。アミロイド沈着と日光曝露の関係では、露光部と非露光部の陽性率は、BCCでは5%以下の有意差をもって露光部に陽性率が高かったのに対して、Bowen病は逆に5%以下の有意差をもって非露光部に高い頻度でアミロイド沈着を認めた。アミロイド沈着と罹病期間の関係では、BCCとBowen病で有意に罹病期間が多く、SCCとAKでは有意差は認めなかった。4腫瘍におけるアミロイド沈着はいずれも腫瘍直下の真皮に限局して存在し、発症年齢は比較的高齢で腫瘍発生からの期間に比例して、経時的に沈着率は高くなっていた。以上のことから、性差・罹患部位・罹病期間とアミロイド沈着の関係性が示唆された。
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