特集 小児急性腹症の画像診断
大網捻転
五藤 周
1
Chikashi Gotoh
1
1総合病院土浦協同病院小児外科
pp.851-855
発行日 2026年8月25日
Published Date 2026/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001643
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はじめに
大網捻転(omental torsion)は,大網が血管茎を軸として捻れ,静脈還流障害によるうっ血・浮腫に始まり,動脈閉塞を経て出血性梗塞・脂肪壊死に至る,比較的まれな急性腹症の原因である。小児では右側の腹痛で発症し,その他の臨床像も急性虫垂炎に類似することが多いため,術前診断は必ずしも容易でなく,手術所見で初めて確定される例も少なくない1,2)。しかし近年の画像診断の進歩により本症が術前に診断される症例が増えており,診断が確実であれば保存的治療を選択し得る3)。なお,捻転した大網は血流障害により梗塞へ進行するため,本症は梗塞に陥った状態で発見されることが多い。大網梗塞(omental infarction)には上記のように捻転に続発するもののほか,明らかな捻転を伴わない分節性大網梗塞(segmental omental infarction)もあり,両者は画像所見が重なり合う4,5)。

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