特集 女児生殖器・会陰部関連疾患のすべて
傍卵巣囊腫
浅井 芳江
1,2
,
浅井 武
1,2
,
新居 章
1
,
愛甲 崇人
1
Yoshie Asai
1,2
,
Takeshi Asai
1,2
,
Akira Nii
1
,
Takato Aiko
1
1NHO四国こどもとおとなの医療センター小児外科
2NPO法人中国四国小児外科医療支援機構
pp.704-707
発行日 2025年7月25日
Published Date 2025/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001250
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はじめに
傍卵巣囊腫とは卵管間膜内に発生する(卵巣もしくは卵管とは離れた位置に存在する)囊腫病変であり,胎生期の生殖管の遺残により発生する。全付属器腫瘍の10~33%の発生頻度である1,2)。好発年齢は30~40歳台で,小児ではまれである。囊腫の位置によっては術前診断が困難な症例も多く,まれではあるが境界悪性や悪性のものが存在する。また,茎捻転による急性腹症や傍卵巣囊腫によって卵管が引き伸ばされて不妊の原因になるともいわれており,無症状であっても注意が必要である。

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