特集 腸管不全症;基礎研究・臨床のトピックス
短腸症候群に伴うD-乳酸アシドーシスに対する糞便移植
川口 雄之亮
1
,
照井 慶太
1
,
武之内 史子
1
,
小松 秀吾
1
,
秦 佳孝
1
,
笈田 諭
1
,
對田 尚
2
,
中川 倫夫
2
,
加藤 直也
2
,
菱木 知郎
1
Yunosuke Kawaguchi
1
,
Keita Terui
1
,
Ayako Takenouchi
1
,
Shugo Komatsu
1
,
Yoshitaka Shinno
1
,
Satoru Oita
1
,
Takashi Taida
2
,
Tomoo Nakagawa
2
,
Naoya Kato
2
,
Tomoro Hishiki
1
1千葉大学大学院医学研究院小児外科学
2千葉大学大学院医学研究院消化器内科学
pp.1029-1032
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000972
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はじめに
D-乳酸アシドーシスは,短腸症候群患者においてみられるまれな代謝性アシドーシスである。小腸が短いことにより未消化の炭水化物が大量に大腸に流入し,大腸内の発酵により増加したD-乳酸が体内に吸収されて代謝性アシドーシスとなると考えられている。D-乳酸アシドーシスを発症すると,傾眠,脱力感,運動失調,呂律障害などの非特異的な中枢神経障害がみられる1,2)。治療として補液やアシドーシスの補正などの対症療法の他,プロバイオティクスや抗菌薬の投与などが行われるが,その効果は限定的である3,4)。
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