特集 胆道閉鎖症の研究update
胆囊壁の低形成に起因する胆道閉鎖症―Sox17ハプロ不全マウスモデルの解析から―
宮崎 奈々惠
1
,
高見 尚平
2,4
,
上村 麻実
1,3
,
追木 宏宣
1,4
,
藤代 準
4
,
金井 克晃
1
Nanae Miyazaki
1
,
Shohei Takami
2,4
,
Mami Uemura
1,3
,
Hironobu Oiki
1,4
,
Jun Fujishiro
4
,
Yoshiakira Kanai
1
1東京大学農学生命科学研究科獣医解剖学教室
2日本赤十字社医療センター小児外科
3東京医科歯科大学実験動物センター
4東京大学医学部小児外科
pp.113-116
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000713
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はじめに
胆道閉鎖症は,肝外胆管の硬化性胆管炎による閉塞から胆汁うっ滞性肝硬変を生じる原因不明の疾患であり,無治療であれば死に至る。胆道閉鎖症の原因は,肝外胆管の発生異常1),自己免疫性2),ウイルス感染3)および毒素4)などさまざまな要因が提唱されているが,いまだに解明されていない。当研究室では,胆囊およびそのマスター制御因子であるSOX17(SRY-related HMG box transcription factor 17)の発現低下によるマウス胎仔の胆囊壁の低形成から,周産期に胆道閉鎖症を引き起こすことを見出した。
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