特集 これならわかる性分化疾患
その他
精巣内精子採取術
岩端 威之
1,2
,
大坂 晃由
1,2
,
杉江 美穂
1,2
,
小泉 智恵
2
,
岡田 弘
2
,
杉本 公平
2
,
宋 成浩
1
,
齋藤 一隆
1
Toshiyuki Iwahata
1,2
,
Akiyoshi Osaka
1,2
,
Miho Sugie
1,2
,
Tomoe Koizumi
2
,
Hiroshi Okada
2
,
Kouhei Sugimoto
2
,
Shigehiro Soh
1
,
Kazutaka Saito
1
1獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科
2獨協医科大学埼玉医療センター国際リプロダクションセンター
pp.1364-1367
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000672
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はじめに
本稿では男性不妊の治療法としての精巣内精子採取術(testicular sperm extraction:TESE)について概説する。なお,精巣生検という言葉は,検査法としての精巣組織の採取を指すものであるため,TESEとは区別して用いる必要がある。現在,純粋に診断方法(造精機能の評価)として精巣生検を行うことは禁忌とされており,以下に示すTESEのときに造精機能の評価として行われるのみである。TESEには陰囊皮膚を小切開することにより精巣組織を採取し,採取組織中から精子を採取するsimple TESE(conventional TESE:c-TESE)と,陰囊皮膚を3~4cm切開しここから精巣を脱出させ(精索はつながったまま),白膜を切開して精巣組織を露出させて手術用顕微鏡下に観察することにより,精子形成の確率が高い精細管組織を採取する方法であるmicrodissection TESE(micro-TESEまたはMD-TESE)との2種類が存在する。2022年4月1日の診療報酬改定で,前者が12,400点(K838-2,1単純なもの),後者が24,600点(K838-2,2顕微鏡を用いたもの)となっている。
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