特集 急性虫垂炎:診断,治療,研究
新生児の虫垂炎
田中 秀明
1
Hideaki Tanaka
1
1福島県立医科大学附属病院小児外科
pp.699-702
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000503
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はじめに
急性虫垂炎は年齢を問わず日常診療においてよく遭遇する疾患であるが,新生児期の虫垂炎は非常にまれである。当施設において日齢22に発熱,嘔吐,腹部膨満を呈し,腹部CT検査にて腸管拡張と回盲部腫瘤が描出され,緊急手術にて穿孔性虫垂炎と診断した男児を経験した1)。新生児の虫垂炎を術前に診断することはきわめて難しく,腸閉塞や消化管穿孔に対する緊急手術時に初めて診断されることが少なくない。
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