特集 共有したい術式および手術経験:手術のポイントや工夫
先天性気管狭窄症に対するスライド気管形成術のポイントと工夫
下島 直樹
1
,
下高原 昭廣
1
,
富田 紘史
1
,
廣部 誠一
1
Naoki Shimojima
1
,
Akihiro Shimotakahara
1
,
Hirofumi Tomita
1
,
Seiichi Hirobe
1
1東京都立小児総合医療センター外科
pp.264-269
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000384
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はじめに
先天性気管狭窄症(congenital tracheal stenosis:CTS)は先天的に気管の一部が膜様部を欠いた完全気管軟骨輪の形態で狭窄をきたし,生後早期から乳幼児期にかけて気道閉塞症状を呈する疾患で,重症例では窒息のリスクがあるため外科手術の適応となる。外科手術は狭窄部の中ほどで気管を切断し,頭側気管の後壁,尾側気管の前壁に切開を入れ,それをスライドさせて前後に重ね合わせて縫合するスライド気管形成術1,2)(図1)が一般的であり,当センターではこれまで94例を経験してきた。
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