特集 腸内細菌を学ぶ
幼小児期の腸内微生物叢の発達
三好 潤
1
,
久松 理一
1
Jun Miyoshi
1
,
Tadakazu Hisamatsu
1
1杏林大学医学部消化器内科学
pp.125-128
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000353
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はじめに
ヒト微生物叢(microbiome)は母体から獲得したmicrobiomeを主たる源として,宿主との相互関係を経ながら幼小児期に劇的に変化し,構築されていく。この幼少期におけるmicrobiome発達は宿主の免疫機構,さまざまな臓器機能の発達に影響を及ぼし,宿主の生涯にわたる健康状態に関与すると考えられている。また,近年のライフスタイルや衛生状態を含む生活環境の変化により,幼小児期にmicrobiomeの乱れ(dysbiosis)が生じることが,さまざまな疾患リスクの増加につながることが示唆されている。幼少期における健常なmicrobiome発達を理解し,必要に応じた介入・是正方法を見出すことは,生涯にわたる健康に寄与する予防的アプローチとなる可能性がある。
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