特集 巨大臍帯ヘルニア治療update
巨大ヘルニアに対する皮膚欠損部の上皮化(さまざまな方法の組み合わせ)
アクアセル®Agとメピレックス®ボーダー
櫻井 毅
1
,
大久保 龍二
1
,
齋藤 弘美
2
,
渡邉 智彦
3
,
和田 基
1
,
遠藤 尚文
4
Tsuyoshi Sakurai
1
,
Ryuji Okubo
1
,
Hiromi Saito
2
,
Tomohiko Watanabe
3
,
Motoshi Wada
1
,
Naobumi Endo
4
1東北大学病院総合外科(小児外科)
2宮城県立こども病院看護部
3埼玉石心会病院総合診療科
4宮城県立こども病院外科
pp.1186-1189
発行日 2022年12月25日
Published Date 2022/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000309
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はじめに
巨大臍帯ヘルニアに対する治療は難渋することが多く,いまだ一定の方針が定まっていないのが現状である1)。近年,ヘルニア囊に抗菌薬含有軟膏などを塗布し,上皮化の完成をいったん待ったのちに,待機的に腹壁閉鎖を行う保存的加療の治療戦略が多く採用されてきている2)。それらは,サイロ造設も含めた初回手術での全身麻酔,周術期合併症を防ぐことが最大のメリットであり,早期手術と比較して死亡率の低下やヘルニアの再発率が低下することが示されている3,4)。さらに,2016年のシステマティックレビューでは保存的加療が外科的段階的加療と比較し死亡率が若干低いことと,早期の経腸栄養開始の点で優れていたと報告されている1)。
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