特集 小児外科を取り巻く最新テクノロジー
AIによる先天異常症候群の診断支援
三嶋 博之
1
Hiroyuki Mishima
1
1長崎大学原爆後障害医療研究所人類遺伝学研究分野
pp.1018-1021
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000256
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はじめに
先天異常症候群(congenital malformation syndromes)は,先天的に複数の器官系統に異常がある疾患の総称である。その異常のパターンにより臨床的な疾患単位をなし,その多くが単一遺伝子病を含む遺伝学的なバックグラウンドをもつ希少疾患(概ね発生頻度0.05%以下のまれな疾患)である。先天異常症候群の診断には全エクソーム解析(WES)によるゲノム網羅的な解析が原因変異の検出に大きな力を発揮している。しかし確定診断にたどりつくのは高く見積もっても50%程度である1)。このため実際の診断には,ゲノム情報に加え経験ある臨床遺伝専門医による注意深い観察から始まる表現型の記述との統合が必要である。
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