特集 先天性胆道拡張症up-to-date
細径肝管に対する手術(ロボット支援手術)
古賀 寛之
1
,
山高 篤行
1
Hiroyuki Koga
1
,
Atsuyuki Yamataka
1
1順天堂大学小児外科
pp.898-903
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000233
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はじめに
世界的に普及している手術支援ロボットda Vinci Surgical System(Intuitive Surgical社)は従来の内視鏡外科手術で問題とされていた二次元の観察(奥行きの把握が難しい)・可動域制限(操作性が悪い)のある鉗子操作の欠点を補い,術者がより直感的かつ感覚的に手術操作を行うことを可能とした。2002年に米国食品医薬品局で承認され,わが国では2009年に医療用機器として承認されたあと,2012年4月に前立腺全摘除術に対して保険適用されて以降,消化器外科領域を含め婦人科,胸部外科への適用拡大に伴い急速に発展してきた。ロボット支援下先天性胆道拡張症手術の歴史は浅く,Wooら1)の報告が最初の臨床経験と思われる。学会・文献報告を検索すると,国内での先天性胆道拡張症手術の実施症例数はこれまでに20~30例程度と推定される。われわれは2009年より小児の先天性胆道拡張症に対して腹腔鏡手術を導入し良好な成績を得ている2~4)が,腹腔鏡手術の最大の難点は総肝管空腸吻合時の運針にあると考えていた。その難点を克服すべく,拡張胆管切除は通常の腹腔鏡下に行い,総肝管空腸吻合術をロボット支援下に行うハイブリッド手術を2017年に導入した。
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