特集 AIとともに育つ医療─小児医療の新しいかたち
研究支援(AI in Pediatrics Research)
小児創薬におけるデータ不足とAI活用─大規模言語モデルと連合学習
前田 樹
1
,
松本 篤幸
1
,
奥野 恭史
1
Itsuki Maeda
1
,
Shigeyuki Matsumoto
1
,
Yasushi Okuno
1
1京都大学大学院医学研究科
pp.311-314
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002900
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はじめに
小児医療において,成人と同様の質の高い医療を提供することは医療者にとって普遍的な目標であるが,現実にはtherapeutic lagやドラッグ・ラグといった課題が依然として存在する。その背景には,臨床試験実施に伴う倫理的・実務的困難さに加え,対象集団も限定される事情があり,従来の創薬モデルだけで新薬を開発し続けることの限界が指摘されている。加えて,今日の創薬においては,一つの新薬開発に10年以上の期間と数千億円規模の費用を要し,その成功確率は約2万5千分の1にまで低下しているといわれている。こうした現状を打開し,とくに従来の臨床試験の実施が困難な領域における開発の可能性を広げる鍵として,医療ビッグデータと機械学習や深層学習といった人工知能(artificial intelligence:AI)技術を融合させた計算科学への期待が世界的に高まっている。

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