特集 小児科医が知っておきたい産科の基礎知識
各論 分娩の管理
急速遂娩
竹田 純
1
TAKEDA Jun
1
1順天堂大学医学部産婦人科
pp.799-802
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002449
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はじめに
急速遂娩は,母体および胎児の安全を確保するため,医学的適応に基づいて迅速な分娩完了を要する状況で実施される,産婦人科専門医にとって不可欠な手技である。その適応は,胎児機能不全,分娩遷延や停止,母体合併症,著しい疲労などにより分娩の短縮が求められる場合がある。急速遂娩の方法は,器械分娩(吸引分娩・鉗子分娩)と帝王切開術(本稿では分娩中の緊急帝王切開術を指す)に大別され,子宮底圧迫法も補助的に用いられることがある。これらの手技は,適応と実施条件を満たしたうえで,習熟した医師またはその指導下で行うことが前提であり,それぞれのメリット・デメリットをふまえた適切な選択が重要である。

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