特集 外来診療・診断のピットフォール
各論:代表的な疾患のピットフォール 消化器系・腹部疾患
過敏性腸症候群(IBS)だと思ったら炎症性腸疾患(IBD)
竹内 一朗
1
TAKEUCHI Ichiro
1
1国立成育医療研究センター消化器科
pp.451-453
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002336
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
初診時14歳,男児
現病歴:10歳頃から間欠的な腹痛と下痢に加えて,頭痛や倦怠感などの不定愁訴のため通院歴があった。半年前から腹痛と下痢が悪化し,とくに夜間の腹痛が強くなり,中途覚醒を伴う下痢によって睡眠が妨げられるようになった。近医で過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)の枠組みで診療が行われたが改善がみられず,1か月前からは1日5回程度の下痢に血液が混入するようになり,食欲低下や倦怠感も出現したため,器質的疾患の精査目的で紹介受診となった。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.