特集 外来診療・診断のピットフォール
各論:代表的な疾患のピットフォール 消化器系・腹部疾患
下痢症だと思ったら便秘症
中野 美和子
1,2
NAKANO Miwako
1,2
1吉川小児科排便外来
2さいたま市立病院小児外科排便外来
pp.454-457
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002337
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症例1
3歳9か月,男児
主訴:下痢,便失禁
現病歴:普通排便だったが,急に1歳7か月から泥状便になり,肛門周囲皮膚炎が出現した。1か月後に大学病院受診,生菌剤の処方,内服で便性が一時的に改善したが,すぐ元に戻った。とくに異常はないと言われそのままになった。2歳7か月時,泥状便を再度近医に相談,便の溜まりを指摘され,ポリエチレングリコール剤(PEG)の内服を開始,さらに緩い便が大量に出て肛門周囲皮膚炎も悪化した。その後も整腸剤,PEGを時々内服したが状態は変わらない。

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