1．下垂体機能検査 3）血中GH，IGF-Ⅰ

Blood growth hormone, insulin-like growth factor-Ⅰ

Ⅰ．血中GH

1　検査の意義と適応

　成長ホルモン（growth hormone：GH）は，視床下部から分泌されるGH放出ホルモン（GH releasing hormone：GHRH）により下垂体前葉での産生・分泌が促進され，ソマトスタチンにより分泌が抑制される。生理的には，低血糖，運動，睡眠などにより分泌が促進される。GH受容体は，肝臓や軟骨，骨，脂肪組織，筋肉，腎臓，性腺など全身の組織に発現しており，GHは各組織でのInsulin-like growth factor-Ⅰ（IGF-Ⅰ）合成を促進する。とくに骨端性の軟骨組織には，GH受容体やIGF-Ⅰ受容体が豊富に存在し，IGF-Ⅰのオートクリン，パラクリン作用により細胞増殖が起こる。GHが欠乏すると，軟骨内骨形成がすすまないため低身長となる。