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特集 小児臨床検査2024
Ⅻ.内分泌・代謝検査
1.下垂体機能検査 4)黄体形成ホルモン,卵胞刺激ホルモン,プロラクチン
Luteinizing hormone, follicle stimulating hormone, prolactin
松井 克之
1
Katsuyuki Matsui
1
1滋賀県立小児保健医療センター内分泌代謝糖尿病科
キーワード:
黄体形成ホルモン
,
卵胞刺激ホルモン
,
プロラクチン
,
性腺刺激ホルモン
,
ゴナドトロピン
Keyword:
黄体形成ホルモン
,
卵胞刺激ホルモン
,
プロラクチン
,
性腺刺激ホルモン
,
ゴナドトロピン
pp.421-428
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001975
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1 検査の意義と適応
1)黄体形成ホルモン,卵胞刺激ホルモン
黄体形成ホルモン(luteinizing hormone:LH),卵胞刺激ホルモン(follicle stimulating hormone:FSH)はともに下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンであり,性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン,gonadotropin)ともよばれる。構造的にはLHとFSHは,ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)と同様にα鎖とβ鎖が結合したホルモンである。これらのホルモンでα鎖の構造は共通しており,さらに生理活性発現に重要なβ鎖も共通祖先を持つため構造は似通っている。視床下部のゴナドトロピン放出ホルモン(gonadotropin releasing hormone:GnRH)が脈動的に分泌することでゴナドトロピンの分泌が増加し,これらが性腺(精巣や卵巣)に働いて性腺発育や性ステロイド分泌が起こる。さらにGnRHとゴナドトロピンは性ステロイドによるネガティブフィードバックも受ける。また,女性ではLHサージによって排卵が起こることで月経周期が生じる。このようにゴナドトロピンは視床下部-下垂体-性腺系で働くホルモンであり,性腺機能を評価する際に測定される。
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