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特集 小児臨床検査2024
Ⅳ.血液凝固・線溶系検査
1.血液凝固・線溶・抗凝固検査 10)プラスミノゲン,プラスミンインヒビター,プラスミン-PI複合体,組織プラスミノゲンアクチベータ,プラスミノゲンアクチベータインヒビター1,t-PA-PAI-1複合体
Plasminogen, plasmin inhibitor, plasmin-PI complex, tissue plasminogen activator, plasminogen activator inhibitor 1, t-PA-PAI-1 complex
川口 千晴
1
Chiharu Kawaguchi
1
1大和高田市立病院小児科
キーワード:
血液凝固線溶
Keyword:
血液凝固線溶
pp.123-127
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001895
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はじめに
線維素溶解(線溶)系は,不要な血栓の溶解によって正常な血液循環を維持することを目的とした調節機構である。線溶系は,組織プラスミノゲンアクチベータ(tissue plasminogen activator:tPA)により血漿中のプラスミノーゲンがプラスミンに活性化される段階と,プラスミンによりフィブリンが分解される段階に大別できる。前者ではtPAに対してプラスミノゲンアクチベータインヒビター1(plasminogen activator inhibitor-1:PAI-1)が,後者ではプラスミンに対してα2プラスミンインヒビター(α2-plasmin inhibitor:α2-PI)が特異的阻害因子として制御している(図)。線溶系の異常では,線溶亢進に伴う早期血栓溶解による出血症と,線溶低下に伴う血栓症が挙げられる。前者の出血症状は「後出血」が特徴とされ,外傷や手術時にいったんは止血血栓が形成されるが,血管修復が完了する前に血栓が早期に溶解し,数時間あるいは数日後に漏出性の出血が観察される。
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