特集 小児科医が知っておくべき子どもの眠り
各論
子どもによくみられる睡眠関連疾患とその対応 小児の概日リズム睡眠・覚醒障害群―考え方と加療について
福水 道郎
1,2,3,4
FUKUMIZU Michio
1,2,3,4
1東京家政大学子ども支援学部子ども支援学科
2瀬川記念小児神経学クリニック
3国立精神神経医療研究センター精神保健研究所睡眠覚醒障害研究部
4東京都医学総合研究所脳・神経科学研究分野こどもの脳プロジェクト
pp.1243-1248
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001800
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睡眠・覚醒リズムとクロノタイプの変化
睡眠・覚醒リズムを含む行動パターンであるクロノタイプ(朝型もしくは夜型:ある個人が1日のなかでどの時間帯にもっとも活動的になるかを示した時間帯特性)は,生後徐々に夜型に移行する。思春期以前においては,概ね朝型の特性を示し,第二次性徴期に急速な夜型化を示すが,男では17.2歳,女では15.7歳がピークで性差が出現する1)。わが国ではこの夜型化が小学校低学年から始まり,海外より早い傾向にある。十代のころから,宿題やスポーツ(クラブ活動),社交,電子機器使用が重要なので夜間の睡眠は優先度が低くなる。これらの問題をきっかけに夜間の睡眠および睡眠・覚醒リズムの破綻という形で表れてくる。
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