小児外科医の独白・15
肥厚性幽門狭窄症(2)
角田 昭夫
1
1神奈川県立こども医療センター
pp.386-387
発行日 1992年3月20日
Published Date 1992/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900760
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幽門筋切開手術 こども医療センターが始まって20年を経過,現在までに200人以上にRamstedt手術を行ったから,平均1年に10人の割になる.
あとで述べるように,この手術は小児外科の初歩的手術で新人の恰好の教材であるから,スタフには回って来ない.元外科部長の私でも第一例こそは手術させてもらったが,それっきりである.賛育会病院や東大での経験も加えて言うと,幽門部漿膜にメスで縦切開を加え,ベンソン鉗子で肥厚した幽門筋を鈍的に開く時には,まさにdivulsion(後述)という言葉がピッタリの,一種の快い手ごたえがある.十分切開すると粘膜下層が切開面に盛り上がってくるから,それを漿膜と同じ高さにするのが,手術のコツとレジデントには教えている.
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