特集 完全把握をめざす小児の心疾患
不整脈
心室頻拍・心室細動―QT延長症候群やBrugada症候群などの遺伝性不整脈を含めて
藤田 修平
1
FUJITA Shuhei
1
1富山県立中央病院小児科
pp.639-641
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001627
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はじめに
心室頻拍(ventricular tachycardia:VT)は特発性,遺伝性,器質性心疾患に合併するものに分けられる。小児では特発性VT,遺伝性VTが多いのが特徴である。特発性VTの大部分は単形性であり,突然死のリスクは低いとされている。遺伝性不整脈・特発性心室細動(ventricular fibrillation:VF)は突然死のリスクを有する。基本病態はVTにより頻脈,房室解離から心拍出量低下をきたし,血圧低下,VFへと進行する。臨床症状は高心拍数から動悸症状を認め,低拍出量,低血圧からめまい,失神をきたす。VTからVFへ移行すると突然死をきたす場合がある。またVT発作の長時間持続から心機能低下をきたすことがある(頻拍誘発性心筋症)。
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