特集 完全把握をめざす小児の心疾患
先天性心疾患の基本
遺伝性先天性心疾患
古道 一樹
1
KODO Kazuki
1
1慶應義塾大学医学部小児科学教室
pp.486-490
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001590
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はじめに
心臓の形態形成には,複数種の心臓前駆細胞が時間的空間的に正しい発生過程をたどる必要があり,各心臓前駆細胞の発生制御因子に生じた変異は心臓形態形成を障害し,先天性心疾患(congenital heart diseases:CHD)をひき起こす。心臓発生に関与する遺伝子制御ネットワークは非常に複雑で,CHDにおける遺伝子型-表現型相関は多様である。孤立性CHDが単一遺伝子疾患であることはまれであり,大半の症例は遺伝,エピジェネティック,環境の各要因の相互作用から発症すると考えられている。
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