特集 知っておきたい周産期・新生児医療up to date
出生後
重症新生児慢性肺疾患の予防と管理
南谷 曜平
1
,
難波 文彦
1
MINAMITANI Yohei
1
,
NAMBA Fumihiko
1
1埼玉医科大学総合医療センター小児科
pp.1777-1783
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001391
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はじめに
Northwayらは1967年に,重症な新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS)による長期間の人工呼吸器管理と高濃度酸素曝露後に,慢性的な呼吸器疾患を呈する症例を気管支肺異形成症(bronchopulmonary dysplasia:BPD)として報告した1)。この報告では,BPDを発症した新生児32症例の在胎期間の中央値は32週,出生体重は2013gであった。近年では,母体ステロイド投与やサーファクタント補充療法を含む新生児医療の発展により早産児の救命率が向上した一方で,臨床上問題となるBPDはNorthwayらの報告よりはるかに未熟性の強い児がその大半を占めており,臨床像も大きく変化している。Jobeら2)は,肺胞期以前の非常に未熟な肺に,感染や酸素毒性,人工呼吸による機械的刺激,栄養障害などのストレスが加わることにより肺胞の成熟が阻害されること(arrest of lung development)を主病態とした “new BPD” を提唱した(図3))。
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