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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
H.内分泌・代謝疾患
Turner症候群
Turner syndrome
松井 克之
1
Katsuyuki Matsui
1
1滋賀県立小児保健医療センター内分泌代謝糖尿病科
キーワード:
Turner症候群
,
成長ホルモン治療
,
エストロゲン補充療法
,
染色体検査
Keyword:
Turner症候群
,
成長ホルモン治療
,
エストロゲン補充療法
,
染色体検査
pp.732-737
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001328
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1 疾患概念
Turner症候群はX染色体の1本は完全であるものの,もう一方の性染色体(X染色体もしくはY染色体)が完全または部分的に欠如しており,それに伴って1つ以上の典型的な臨床症状を呈する表現型が女性の性染色体疾患である1)。出生女児の2,000人に1人程度に認める2)。表現型が男性の場合や50歳以上の女性で45,Xのモザイク率が5%未満の場合,Xq24遠位欠失のみの場合(症状は原発性または二次性の無月経のみ)やX染色体短腕(Xp22.33)微小欠失のみの場合(SHOX遺伝子欠失による低身長や骨格異常のみ)はTurner症候群の診断から除外される1)。核型は45,X(モノソミー核型)が半数を占めるが,45,X/46,XXモザイク核型,同腕染色体,環状X染色体,45,X/46,XYモザイク核型など多彩である1)。10~12%のTurner女性はY染色体成分をもっているとされ,性腺芽腫(gonadoblastoma)の発生リスクがある1)。
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