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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
D.消化器疾患
H. pylori感染症
Helicobacter pylori infection
奥田 真珠美
1
Masumi Okuda
1
1兵庫医科大学小児科
キーワード:
ピロリ菌
,
診断法
,
除菌治療
Keyword:
ピロリ菌
,
診断法
,
除菌治療
pp.462-465
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001271
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1 疾患概念
H. pylori(Helicobacter pylori)は主として乳幼児期に感染成立するが,感染時は症状を自覚することがなく(症状を訴えることなく),持続感染する。ほぼ全員で慢性胃炎を生じるが,無症状で経過し,学童後期~青年期では,胃・十二指腸潰瘍,機能性ディスペプシア,胃MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫,鉄欠乏性貧血,特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病などで発症することがある。若年者では胃潰瘍より十二指腸潰瘍の頻度が高い。さらに感染が持続すると萎縮性胃炎へと進展し,分化型胃癌が発生する。感染者の生涯(85歳まで)胃癌罹患率は男性17%,女性7.7%と報告されている1)。
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