Japanese
English
特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
B.感染症
突発性発疹
Exanthem subitum
菅田 健
1
Ken Sugata
1
1独立行政法人国立病院機構三重病院小児科
キーワード:
突発性発疹
,
HHV-6B
,
再活性化
,
移植後HHV-6脳炎
Keyword:
突発性発疹
,
HHV-6B
,
再活性化
,
移植後HHV-6脳炎
pp.270-272
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001227
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 疾患概念
突発性発疹(突発疹)はhuman herpes virus 6(HHV-6)の初感染によりひき起こされる乳幼児期のcommon diseaseである。HHV-6はウイルスゲノムの制限酵素切断パターンの相違により2種類のvariantすなわち,HHV-6AおよびHHV-6Bのspeciesに分類されている。HHB-6Bが突発疹の病原体であるが,HHV-6Aの初感染像は未だ不明である。HHV-7の初感染像にも一部が突発疹の臨床経過をとる。HHV-7の初感染時期はHHV-6Bより遅れ2~4歳ごろであり,一般に2度目の突発疹が本ウイルス初感染によることが多い。突発疹の主要な合併症には脳炎および脳症などの中枢神経合併症がある。われわれの全国調査により,HHV-6脳炎および脳症の年間発生率は日本では年間60例と推定され,半数近くが四肢麻痺や精神遅滞などの重篤な神経学的後遺症を呈することがわかった1)。HHV-6脳炎は急性壊死性脳症(ANE),出血性ショックおよび脳症症候群(HSES),けいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)など,さまざまな種類の臨床経過を有することが報告されている2)。ほかの致死的な合併症には劇症肝炎,血球貪食症候群,心筋炎が挙げられる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.