特集 小児感染症の話題
2.突発性発疹の疫学および臨床像の変化
河村 吉紀
1
1藤田医科大学岡崎医療センター小児科
pp.414-420
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003014
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突発性発疹(突発疹)は高熱で発症し解熱時に発疹が出現する日常よく遭遇する熱性発疹症である.好発年齢についてかつては乳児期だったが,近年は罹患年齢の高齢化が示唆されている.実際,臨床ウイルス学的解析によって好発年齢は1歳台に上がり,2歳以上もみられるようになってきている.また,2歳以上では解熱後発疹を認めない非典型例が多かったことも明らかにされている.非典型例では白血球数およびCRPが上昇し,抗菌薬使用率が典型的な突発疹にくらべ高率だった.突発疹の年長化の原因として口移しの減少,集団保育の増加,栄養方法の変化などが考えられたが,明らかにはされていない.今後,検証する必要がある.
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