特集 Choosing Wisely 内科医の賢明な選択とは
各論
血液領域におけるトピック
藤島 直仁
1
1能代厚生医療センター血液内科
キーワード:
ASH
,
血液疾患
,
輸血
,
血液製剤の使用指針
Keyword:
ASH
,
血液疾患
,
輸血
,
血液製剤の使用指針
pp.478-481
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000748
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医師と患者が問うべき10のこと
1.貧血症状を緩和するため,あるいは安全なヘモグロビン値(安定している非心疾患の入院患者ではHb 7~9g/dL)にするために必要最小限以上の赤血球輸血を行わない.
2.主要な一過性危険因子(手術,外傷,または動けない状態)のもとで発生した静脈血栓塞栓症の成人患者に血栓形成傾向の検査を行わない.
3.急性の静脈血栓塞栓症の患者に下大静脈フィルターを日常的に使用しない.
4.(大出血,頭蓋内出血,または予定外の緊急手術を除いて)ビタミンK拮抗薬の非緊急性回復のために血漿製剤やプロトロンビン複合体濃縮製剤を投与しない.
5.アグレッシブリンパ腫に治癒目的の治療を行った無症状の患者にはCTスキャンでのサーベイランスを制限する.
6.主要な一過性危険因子のもとで発生した初回の静脈血栓塞栓症患者には,3か月以上の抗凝固療法を行わない.
7.妥当な臨床適応がない限り,鎌状赤血球症の患者には慢性貧血や合併症のない疼痛発作に対して日常的な輸血を行わない.
8.無症候性の早期慢性リンパ性白血病患者に対して日常的なCTスキャンのサーベイランスを行わない.
9.ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の検査前確率が低い患者には,HITの検査や治療を行わない.
10.出血や高度の血小板減少がない免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)患者に治療を行わない.
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