特集 ワクチンup to date
各論
ロタウイルスワクチン 定期接種化への経緯と実際の運用
菅 秀
1
SUGA Shigeru
1
1国立病院機構三重病院小児科
pp.1432-1435
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001088
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はじめに
感染性胃腸炎は,世界的には5歳以下小児の死亡原因第2位を占め1),日本においても全年齢にわたる疾病負担は大きい。多くの細菌,ウイルス,寄生虫が本疾患の起因病原体となりうるが,なかでもロタウイルスは乳幼児の感染性胃腸炎の主な病原体として重要である。ロタウイルスは環境中でも安定で,感染力が非常に強いため,衛生状態が良好な先進国においても感染予防はきわめて難しい。また,1回の感染では十分な免疫が得られないため,くり返し感染・発症することが知られている。したがって,ロタウイルス胃腸炎によって生じる死亡例や重症例を予防する重要な手段はワクチンの導入である。
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