特集 新しい時代の小児感染症
総論:小児感染症診療
小児感染症の治療
庄司 健介
1
SHOJI Kensuke
1
1国立成育医療研究センター感染症科
pp.492-498
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000826
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はじめに
感染症治療の原則は成人も小児も変わらない。すなわち,病歴や症状,身体所見などから感染臓器を絞り込み,患者背景なども併せて原因となっている微生物を想定し,重症度も加味しつつ想定される微生物に適した抗微生物薬を選択する,というプロセスである。小児では年齢の要素が起因微生物の想定に重要であるため,小児の初期治療選択の際に重要な項目を,A:age(年齢),I:infected organs(感染臓器),M:microorganism(微生物),S:severity(重症度)の頭文字からAIMSとよぶこともある1)。年齢は起因微生物の想定だけではなく,抗微生物薬の薬物動態や,副作用にもかかわっており,治療薬の選択や,用法・用量の決定に重要である。また,起因菌が確定したらその微生物名,感受性などに合わせてより適切な抗菌薬に変更する(de-escalation)ためには治療開始前に適切な検体を採取し,培養などの検査を提出することが重要である。
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