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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅷ.境界領域疾患
12.鼻副鼻腔炎
Rhinosinusitis
増田 佐和子
1
MASUDA Sawako
1
1国立病院機構三重病院耳鼻咽喉科
pp.1070-1074
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000703
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1 基本病因,発症機序
1.微生物学的な要因
固有鼻腔と副鼻腔の炎症である鼻副鼻腔炎は,上気道炎の一環としてライノウイルス,パラインフルエンザウイルス,インフルエンザウイルスなどのウイルス感染により発症し,数日後には細菌感染に移行する1)。多くの場合,鼻腔からは肺炎球菌,インフルエンザ菌,モラクセラ・カタラーリスなど複数の菌が検出され,起炎菌の同定は難しいことが多い。本来無菌である上顎洞からは,インフルエンザ菌または肺炎球菌のいずれかが検出されることが多く,これらが起炎菌と考えられている1)。また,真菌感染も副鼻腔の炎症の要因となる。
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