特集 耳鼻咽喉科感染症の完全マスター
Ⅲ.診断・治療をマスターする
7.鼻・副鼻腔炎
鴻 信義
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科
pp.250-254
発行日 2011年4月30日
Published Date 2011/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101853
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Ⅰ 病因・病態
1.病態分類1)
ウイルスなどの上気道感染に伴い,鼻粘膜が腫脹し副鼻腔自然口が閉塞すると,副鼻腔の換気・排泄障害が生じる。そこに細菌感染が加わり,副鼻腔粘膜に炎症性変化をきたすと,線毛機能は低下し粘液分泌は亢進する。これらの結果,分泌物や炎症産物が洞内に貯留し,細菌増殖や炎症産物の活性化が粘膜の状態を悪化させ,炎症は遷延し慢性になる。炎症が長期化すると,粘膜腫脹が高度になり,しばしば鼻茸が形成される。
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