特集 オンライン診療
序:オンライン診療という「黒船」
窪田 満
1
KUBOTA Mitsuru
1
1国立成育医療研究センター総合診療部
pp.1927-1928
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000482
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「オンライン診療」は和製英語であり,英語では「telemedicine(遠隔医療)」とよぶことが多いが,本特集では「オンライン診療」で統一したいと思う。また,一般的には情報通信機器を使ったリアルタイムでの診療を意味し,電話ではなく,主に医師側はパソコンを,患者側はスマートフォンを用いてビデオ通話を行うことを指す。しかしながら,新型コロナウイルスの世界的流行に際し,厚生労働省は感染拡大の防止という観点から,「電話や情報通信機器」を用いた「オンライン診療」を容認し,さらには初診におけるオンライン診療を時限的に認めた。このことから,電話での診療とオンライン診療の区別があやふやになったが,その後整理され,保険点数上,電話初診や電話再診はあくまでもコロナ特例によるものであることが明確になった。令和4(2022)年診療報酬改定で新設された「情報通信機器を用いた初診料・外来診療料(再診料)」は電話の利用では認められない。オンライン診療では可能なかぎり多くの診療情報を得るために,リアルタイムの視覚および聴覚の情報を含む情報通信手段を採用することと明記されたのだ。そのため,本特集でもとくに断りがないかぎり,オンライン診療に用いる情報通信手段はビデオ通話を指すことにする。
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