特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅰ プライマリケアで重要な皮膚症状とその対応
汗疹,汗疱,多汗症
大嶋 雄一郎
1
1愛知医科大学皮膚科学講座
pp.93-98
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000958
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診療のポイント
■汗疹は小児に好発し,夏期に患者が多い.水晶性汗疹は2~3日で自然治癒する.紅色汗疹は四肢屈側,頸部,腋窩部に好発し,瘙痒を伴い湿疹化するため,外用ステロイド薬を塗布する.
■汗疱は夏期や季節の変わり目に手指,足趾の側面,腹面に小水疱が急速に多発する.数週間で落屑化して消退するが,一部は湿疹化する.掌蹠多汗症に多くみられる.
■手掌多汗症は紙が手汗でフニャフニャになる,腋窩多汗症では友達からワキ汗のことについて何かいわれないか心配になるなど日常や社会生活において制限があり,著しくQOLが障害されている.小児患者の場合,侵襲が少ない外用療法(塩化アルミニウム溶液,外用抗コリン剤)が中心となる.
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