境界領域の再評価とその展開 特集
産婦人科と眼—専門医にきく
乳幼児の視力評価法
田中 靖彦
1
Yasuhiko Tanaka
1
1慶応義塾大学医学部眼科学教室
pp.655-658
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208164
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しばしば家族から,「この子は見えているのでしょうか」「視力はどれ位なのでしょうか」と,新生児あるいは乳幼児に対し尋ねられる。しかし,これまで視力は自覚的検査の1つとして,早くても3歳からしか信頼性のある結果は得られなかった。せいぜい対光反応,固視反射,追従反射などにより,経験的にある程度の評価はできても定量的なことは全く言えなかった。何とかしてこれら乳幼児から,客観的な視力評価を得ることを目的として,視力発達に関する研究が,主として弱視治療,先天白内障の早期治療などに関連して最近著しい進歩を示しており,かなり臨床応用の段階に入ってきているといえよう。今回はこの乳幼児の視力発達の他覚的評価法の試みをいくつか紹介してみたい。"試み"としたのはまだ広く普及しているとは言えず,ごく限られた施設においてのみ臨床的に応用されている段階であるからであることをおことわりしておく。
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